オリジナルTシャツが著作権を侵害する?!安全に製作するための注意点とは
当店ではありがたいことに、様々なご用途でオリジナルTシャツのご注文を数多くいただいております。
お客様から頂くデザインはどれもおしゃれなものばかりで日々感心しているのですが、オリジナルTシャツを作る際は、著作権を侵害しないように注意しなくてはなりません。
著作権について詳しく知らないと、故意ではなくとも発注したデザインが著作権を侵害し、残念ながらオリジナルTシャツの名入れを致しかねることも。
今回はオリジナルTシャツの制作には欠かせない著作権について、詳しく解説します。
ご注意:アパレルの卸では、著作権・肖像権などの侵害となるデザインでのご注文はお受け致しておりません。予めご了承ください。
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※本記事にて紹介している商品価格は2023年12月28日現在の価格となっております。
オリジナルTシャツを作る前に知っておきたい著作権とは
オリジナルTシャツの製作にかかわらず、日常的によく耳にする著作権。
Tシャツのデザインを作成するうえで著作権は必ず守らなければならないので、まずはその内容を理解していきましょう。
著作権とは?
著作権とは、作品の作者が所有する著作物を保護する権利のことです。
著作物の例には文章、絵画、映画、音楽、振り付けなどが挙げられ、それらを生み出した作者は著作者と呼ばれます。
オリジナルTシャツを作って販売するというように作品で利益を得たり、他者に無断で作品を使用されないように保護したりする権利は、著作物を製作した著作者のみに与えられるもの。
つまり著作権を持たない人が著作者の許可なしに作品を利用することは著作権の侵害となり、懲役や損害賠償などの罰則が科されてしまいます。
著作権と一緒に覚えておきたい肖像権
オリジナルTシャツを作成するにあたり、著作権と合わせて知っておきたいのが肖像権です。
肖像権とは、自分の写真や映像を勝手に公表されたり利用されたりしないように主張する権利を指します。
著作権はものを保護するための権利であるのに対し、肖像権は人を守るための権利です。
全ての人は、肖像権によって自分の写真を他人に使用されないよう法律の元で保護されています。
アイドルやスポーツ選手といった有名人の写真には、肖像権に加えてその人の経済的価値を守るためのパブリシティ権という権利が発生します。
オリジナルTシャツの製作は著作権の侵害になるのか
結論から言うと、オリジナルTシャツに他人の著作物を無断で印刷することは著作権の侵害になります。
「個人で使用するオリジナルTシャツならOKなのでは?」という声を頂く事もありますが、個人使用であっても、当通販店のようなオリジナルTシャツのプリント業者はこういったオーダーメイドをお断りするのが一般的です。
その理由について、詳しく説明します。
オリジナルTシャツ業者に著作物のプリントを依頼するのはアウト
著作権法30条において、著作物の複製は私的使用を目的とする場合には許されています。
そのため、家の中のように限られた場所で着用するオリジナルTシャツなら、業者に注文しても私的使用に該当すると思われがちです。
しかし私的使用とは、著作物を利用する本人が複製し、家庭内で使用することとなります。
オリジナルTシャツを着用するのが人目に付かない場所であっても、第三者である印刷業者が複製作業に介入することは私的使用の範囲を超えると判断されてしまいます。
そのうえ当通販店のような業者は、オリジナルTシャツを制作・販売することで利益を得ている立場となる関係もあり営利目的や誰かに配ることを目的として著作物を複製することは著作権の侵害になりますので、無断で著作物をオリジナルTシャツにプリントするご注文は他店舗様同様お断りをさせて頂いております。
著作権を侵害するデザインの例
オリジナルTシャツのデザインに使われがちな著作権を侵害する例には、以下のようなものが挙げられます。
小説や歌詞の一部を引用
小説の台詞や歌の歌詞の一部をそのまま引用することは、著作権の侵害になります。
文字のデザインならイラストより目立たないから大丈夫と思うかもしれませんが、そのフレーズを見て元の著作物がパッと思い浮かぶものはアウトです。
もともと存在するロゴやイラストのパロディ
企業ロゴやキャラクターのパロディは、著作物を無断で改変したことになるので著作権の侵害です。
元のイラストに酷似していなくても、何のキャラクターを真似ているかオリジナルTシャツから連想できるだけで罪に問われる可能性があります。
有名人の写真や似顔絵
写真や似顔絵には肖像権があるので、許可なくオリジナルTシャツに使用することは禁止されています。
有名人に限らず、一般の人であってもその人が使用を容認していなければ肖像権の侵害です。
他人が投稿したSNSの写真
他人がSNSに投稿した写真は、プロ・アマに関わらずすべて撮影者が所有する著作物となります。
人物のポートレートは勿論、ペットや風景の写真も勝手にオリジナルTシャツに使用すると著作権の侵害となってしまいます。
著作権を侵害しないオリジナルTシャツを作るには
著作権を侵害せずにオリジナルTシャツを制作することは、もちろん可能です。
下記のような方法であれば、たとえ著作物を使用した場合でも特注Tシャツのオーダーメイドが認められます。
オリジナルデザインをゼロから製作する
イラストやロゴを自作して自らがその作品の著作者となる場合は、著作権の侵害にはなりません。
自分でゼロからデザインするのでしたら、その方が違法にならず世界でたった一つのオリジナルTシャツを製作できます。
著作者・肖像者から許可を得たものを使う
他人の著作物であっても、著作者本人に許可を取り正式に使用が認められている場合は、著作権の侵害にはなりません。
アイドルと企業がコラボしたオリジナルTシャツは、提携先の企業が事務所に許可を得て作成し、販売しています。
キャラクターのイラストも友人の顔写真も、著作者及び肖像者からの許可があればオリジナルTシャツのデザインに使用可能です。
すべて個人で制作し、家庭内で着用する
先述したように、著作物は家庭内での私的使用を目的とし、自身で複製する場合は著作者の許可を得なくても使用できます。
そのため、プリントから着用までの過程を個人の趣味で楽しむのであれば、著作権の侵害にはなりません。
著作物を印刷した自作のオリジナルTシャツを公共の場所で着ること、その価格がどんなに激安であれ有償無償を問わず第三者へ配布することは、私的使用の範囲から外れてしまうのでアウトです。
著作権侵害になりうる可能性も?
一見問題の無いオリジナルTシャツであっても、場合によっては著作権を侵害する可能性があります。
以下のようなケースはオリジナルTシャツのデザインによく活用されますので、注意が必要です。
パロディデザインのクラスTシャツ
著作権法第35条では、企業ロゴや商品パッケージなどの著作物も教育機関の中では使用が認められておりますので、文化祭のクラスTシャツに著作物のパロディデザインを作成することはOKです。
ただし、著作物の使用が許可されているのは学校行事で使用する場合のみ。
パロディデザインのクラスTシャツ遊びに行くときに学校の外で着たり、SNSに投稿したりするのはNGです。
最近はクラスTシャツをSNS映えやおしゃれ目的で活用する学生は多いので、おしゃれなクラスTシャツを制作したいのならパロディデザインは避けた方が無難といえます。
著作権を侵害しないおしゃれなクラスTシャツのオリジナルデザインについては、こちらの記事もご参考ください。
フリー素材の使用
自由に使える創作物と聞いて、イラストや写真などのフリー素材を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
フリー素材の「フリー」は著作権・肖像権がフリーであることにも由来しており、そのような素材は著作者に直接許可を取らなくても使用できます。
プロが創作したイラスト、美しい風景写真などからオリジナルTシャツを作りたいのであれば、フリー素材を探してみるのもお薦めです。
しかしフリー素材であっても、著作権が保護されているもの、利用規約によって商用利用を禁止しているものもあります。
全てのフリー素材に、著作権がないというわけではありません。
オリジナルTシャツに使用して良いのか、素材を配布するサイトに記載された利用規約を確認しましょう。
まとめ
Tシャツの名入れ制作を激安価格で承る「アパレルの卸」が、オリジナルTシャツを作成するうえで必ず注意しなけらばならない著作権について紹介しました。
著作権という言葉を全く知らないという人は殆どいないと思いますが、その意味を詳しく知らずに「このデザインなら、この用途なら大丈夫だろう」と他人の著作物をプリントしたオリジナルTシャツの格安製作を業者に依頼するケースは意外と多いものです。
せっかく良いデザインを考えたのに著作権を侵害していてオリジナルTシャツを発注出来なかったとガッカリしないよう、デザインを決める際には、せっかくオリジナルTシャツ製作を楽しんで頂きたいと思っておりますので著作権と著作物の利用方法をお守りくださいます様お願いいたします。